時代を超えた普遍性を表現する、ミニマルアート写真の傑作
本作《日本海 隠岐 V》は、杉本博司の最も代表的な三つのシリーズのうちの「海景」シリーズである。「海景」は1980年ごろに発表され、これを機に杉本博司の名声は決定的なものとなった。画面上部に空を、下部に海をグレースケールで映し出し、空と海以外なにもない海景は、ミニマルアートの平面的な表現としても読み取れる。
「古代人が見ていた風景を現代人も見ることは可能なのか」という問いが発端となって生まれた海景シリーズは、特定の場所で撮影され、具体的な場所の名前がタイトルになっているものの、きわめて抽象化・普遍化された作風が特徴的である。
本作《日本海 隠岐 V》はタイトルの通り日本海に浮かぶ島根県の隠岐(おき)の島から見た海を撮影したものである。隠岐の島は日本の歴史における流刑の島として有名である。後鳥羽院が承久の乱で敗れ、1221年に島流しにされた島であり、先述した「古代人が見ていた風景を現代人も見ることは可能なのか」というコンセプトを見事に体現している作品といえる。

写真で物事の本質に迫る、日本の代表的写真家・現代アーティスト
1948年東京生まれの写真家・現代美術作家。1970年に立教大学経済学部を卒業後、渡米しロサンゼルスのアート・センター・カレッジ・オブ・デザインで写真を学ぶ。74年に卒業後ニューヨークに移住。
代表的なシリーズである自然史博物館に展示されている動物の剥製を撮影した「ジオラマ」や、アメリカの古い映画館でスクリーンに投影した映画1本分を長時間露光で撮影した「劇場」、水平線をグレースケールで写した「海景」が70年代後半以降生み出された。
2020年に森美術館で行われたグループ展『STARS展:現代美術のスターたち — 日本から世界へ』では草間彌生や奈良美智、村上隆と並んで日本を代表する現代アーティストとして紹介された。
参考オークション履歴
過去の類似作品のオークションレコードです
| 落札日 | 作品名 | 落札価格 |
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| 2025/02/19 | Sea of Japan - Oki V (1980) | 5,116,884円 |
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| 2024/12/10 | Sea of Japan Oki V (1987) | 4,825,408円 |
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| 2022/10/12 | Sea of Japan, Oki III (1987) | 6,471,168円 |
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最新の成立履歴
| 成立日 | 枠数 | 単価 |
|---|---|---|
| 10/13 21:45 | 1枠 | 11,000円 |
| 08/18 07:21 | 1枠 | 7,500円 |
| 08/17 19:08 | 1枠 | 8,500円 |
| 04/07 20:48 | 2枠 | 7,000円 |
| 04/07 20:39 | 2枠 | 8,000円 |